部品実験:コイル 元に戻る

事前知識 2024/6/30

本文目次

本文以外目次
1.コイル値の読み方
2.コイルのラインナップ
3.コイルに加わる電圧と流れる電流
4.コイルの公式集
5.コイルに蓄積出来るエネルギー
6,コイルに蓄積されたエネルギーを見たい





本   文

1.コイル値の読み方
 (1)ヘンリー値 カラーコード
コイル例  内容 備 考
数値 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 - -  
数値 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 - -  
乗数 0 1 2 3 4 5 6 7 - -3 -1 -2  
誤差 - 1 2 0.05 0.02 0.5 0.25 0.1 0.01 - 5 10 ±で示す
 茶黒金銀
 例は  10×10-1  = 1 uH 誤差±10 %

 (2)チップコイル値 数値
コイル例 内容 記載1 記載2 記載3 記載4 記載5
R 値x100 値x10-8 値x10-9
値x10-1 R 値x10-9 N
乗数 値x10-2 値x10-1 N 値x10-10
誤差
備  考 xxuH×乗数 0.xxuH x.xuH xxnH x.xnH
 例は22×10-0 = 22μH
   誤差の記号と値について
 
F G J K M 備 考
1 2 5 10 20 ±で示す

 (3)単位について
単位 読み方 倍率 抵抗(Ω:オーム) コンデンサ(F:ファラッド) コイル(H:ヘンリ)
M メガ 106    
k キロ 103    
-    10-0 Ω F
m ミリ 10-3 mΩ mF mH
μ マイクロ 10-6   μF 又は uF μF 又は uF
n ナノ 10-9   nF nF
p ピコ 10-12   pF pF
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2.コイルのラインナップ
 抵抗値のラインアップと同じです。下記の様な系列(シリーズ)がある。
 E3,E6,E12,E24があり、値は下表のとおり
E24 1.0 1.1 1.2 1.3 1.5 1.6 1,8 2.0 2.2 2.4 2.7 3.0 3.3 3.6 3.9 4.3 4.7 5.1 5.6 6.2 6.8 7.5 8.2 9.1
E12 1.0 - 1.2 - 1,5 - 1.8 - 2.2 - 2.7 - 3.3 - 3.9 - 4.7 - 5.6 - 6.8 - 8.2 -
E6 1.0 - - - 2.5 - - - 2.2 - - - 3.3 - - - 4.7 - - - 6.8 - - -
E3 1.0 - - - - - - - 2.2 - - - - - - - 4.7 - - - - - - -
 上記数値に各乗数のヘンリー値がある。
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3.コイルに加わる電圧と流れる電流
(1)直流の場合

上の回路には抵抗分が無いので、試験をしない事。
 過電流によりコイルから煙や火が出る!

(2)交流の場合
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4.コイルの公式集
(1)磁束
   ・・①



(2)磁化力
  ・・・②

磁場Hは磁界の強さで、磁路の単位長あたりに必要な起磁力を言う
磁束密度Bは 磁束/磁路の断面積 になるので、磁束の式を変形すると 透磁率×磁化力になることが判る

(3)磁束密度
 
・・・③

(4)磁束の変化による起電力
 
・・・④

(5)自己誘導起電力
 
・・・⑤

(6)自己インダクタンス
 
・・・⑥
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5.コイルに蓄積出来るエネルギー
 コイルの蓄積エネルギーの式は
  (J)
 だがこれの求め方は?

 (1)コイルのエネルギーの求め方
  a.コイルの誘導起電力
   (V)        ・・・・①式

  b.コイルの瞬時電力
   (W)   ・・・・②式

  c.dt秒間にコイルに蓄えられるエネルギー
   (J)     ・・・・③式

  d.コイルに蓄えられるエネルギー
   (J)

 ③式から判ることは、インバータなどではコイルに蓄積されるエネルギーを制御するが、コイルに電流を流している時間を制御すれば良いことから、SW(MOSFETなど)を制御する方形波のデューティー比により制御が出ることが判る!
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6,コイルに蓄積されたエネルギーを見たい

(1)その前に準備が必要!
 蓄積エネルギーを見る試験では見やすくするため、大きな蓄積エネルギーとするため、コアにコイルを巻き、コイルに電流を流すが、コイルに電流を流し過ぎると  コアが磁気飽和によりコイルのインダクタンス成分が無くなり、短絡状態になるためコイルや接続部品・装置の故障原因や災害になる可能性もあるので、試験前にはコイルの磁気飽和する電流値の目安が判らなければならない、
私は安価コイルしか購入していないので電流値は判らないので、測定する物が必要!

磁気飽和を起こさない電流値を確認する装置が必要!
装置の概略:1次コイルの同コア上(同磁束)に二次コイルを巻き、1次コイルの電流と、二次コイルの起電圧の特性グラフで起電圧が飽和傾向を確認出来るもので
1次電流は50又は60Hzでなく、将来インバータ製作の事を考えれば、50Hz~40KHz位の周波数で試験が出来るようにする。
 B-Hカーブトレーサーの作成 別ページ で説明

(2)試験用のコイルの作成
エネルギーを大きくしないと見れないからコイルば空芯よりコアに巻く。
コイルの違いで電流の変化に違いあるのかも含めテストして見る。
作成したコイル

測定器はDE-5000
巻き数とインダクタンスの関係からコアの透磁率
緑>黒>黄色白

(3)コイルの共振点確認
a. 確認用の回路
 J1発振器 出力 5(V)
 J2オシロ 1chプローブ
 J3オシロ 2chプローブ
測定にはRIGOL MSO5104のボード線図機能を使用
b. コア 緑22-14-8 25巻きの1次2次コイル
共振点=コイル部の抵抗が∞=Gain最低=位相0°付近を示す。
以上からコイルの共振点は794kHz付近

c. コア 黒26-16-12 25巻きの1次2次コイル
コイルの共振点は1.58MHz付近
d. コア 黄色白 21-13-6 25巻きの1次2次コイル
コイルの共振点は10MHz付近


(4)試験用のコイルの特性確認1 ボード線図
a. コア 緑22-14-8 25巻きの1次2次コイル

b. コア 黒26-16-12 25巻きの1次2次コイル

c. コア 黄色白 21-13-6 25巻きの1次2次コイル


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