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RAMSアンプの作成 2024/7/2

本文目次

本文以外目次
1.はじめに
2.設計
3.作成後の試験



本   文

1.はじめに
 測定記録で交流電流をHIOKI9694のクランプメータを使用し測定します。
 今回はこの交流電流を長期間記録するため、サンプリングの時間が(AC電源周波数:1周期の時間より) 非常に長いため、正確な交流電流値(実効値)を測定できないため、交流を直流に変換して直流の値を記録する方法をとります。
 そして今回はこのACをDCに変換する装置を2017年2月に作成しました。
HIOKI9694は測定電流1A(AC)でクランプメータ出力は10mV(AC)の出力になっています。
 つまり最大5A入力で50mV(実測結果RMSでした)の出力になります。
 また回路は出来るだけ簡単で信頼性が有り、安価にするため、オ  ペアンプは手持ちのLM324で作成します。 オペアンプとは(事前知識はここをクリック) 
 回路図は下記の通りです。

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2.設計
設計については
 アンプ回路
  4個のアンプが有るので、その目的は
   U1 適正電圧(約±5~6(V))へ増幅
   U2 コンデンサーでカップリングするために高インピーダンスアンプ
   U3 理想整流回路(ダイオードの逆方向電圧を相殺する回路)
   U4 平均から実効値へ変換する回路
 増幅率
出力をDC5Vとして最大6Vまで直線性を確保したい。
電源電圧から内部信号は最大±6(V)で分かりやすい電圧値で設計する。
今回の入力は50(RMS mA)=141(P-P mA)ですが、10(P-P mA)入力までを許容できる物とする。
設計値
入力 U1出力 U2出力 U3出力 U3平均値 U4出力
倍率 82 1 1 0.63662 1.35
波形 AC AC AC 半波 半波 DC
P-P電圧 計算 141 11.562 11.562 5.781 3.6803 4.9684
入力が最低10(P-P mA)とした場合にはU1は600倍になる。
あまりR2を高い抵抗にした場合には回路電流が非常に小さくなり、雑音にも弱くなるため、200(kΩ)を上限としてR1を300(Ω)とした。
倍率1の場合は10(kΩ)程度にする。

電源回路
 簡単なレギュレータ型のTL341を使用し両電源(±電源)を作成する。
 TL341は基準電圧が約2.5Vで、可変電圧範囲(抵抗3本の外部抵抗の組み合わせにより)基準電圧から36Vまで可能としている。
 シンク電流範囲は1~100(mA)となっている。
今回のオペアンプ消費電流は出力インピーダンスが10(kΩ)で2(mA)以下のため4(mA)流れる。
ACトランスの2次出力の無負荷(全波整流)出力電圧は±10(V)。
レギュレータ用抵抗Rの設計では、4(mA)の電流で±8(V)になるようにするとR=500(Ω)となる。
何らかの原因で負荷側が短絡した場合には、約20(mA)流れる事になる。
Rの消費電力はI2×Rから0.2(W)になる。
使用する1/4(W)の抵抗では発熱量が多すぎるため、1(kΩ)×2個並列とする。
このため、抵抗1本に対して消費電力は0.1(W)となる。
必要な電圧は約8(V)。
必要な分圧抵抗は基準電圧―0(V)間は10(kΩ)とすれば、基準電圧―出力電圧間は約22(kΩ)となる。

プリント板(プリントパターン)
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3.作成後の試験
作成した各部の電圧値は下表の通り。
入力はマルチファンクションジェネレータHDG2022B(20MHz 16bit)を使用した。
測定にはADS1102CAL(100MHz 8bit)
入力電圧は16bitの分解能で誤差は少ないが、①~出力については最小段階が0.06(V)です。
下表の説明
 RMSの値は計算値です。
 ‘④→出力の計算については
 まず④は半波整流の電圧が5.6(V)なので、その平均値は E4×2/π=3.565(V)
 U4の出力はE4×2/π×27/20=4.8128(V)になる。計測値では4.88(V)になった。
各部の測定記録 アンプ部の最大値値が±5~6(V)内になっている。
入力  出力
P-P
(mV)
RMS
(mV)
P-P
(V)
P-P
(V)
P-P
(V)
P-P
(V)
P-P
(V)
141 49.85 10.88 10.96 10.96 5.6 4.88
※出力電圧は12bitのオムニエースで測定した結果は4.96(V)でした。
  その他の値については下表の通り。(測定日 2017/02/26 10:00)
負荷を付けた実測

絶縁トランス、スライダック、負荷『アクリル曲げ用ヒータ』1.5(A)、クランプHIOKI9694、今回作成した変換器、オムニエース、ADS1102CAL、HIOKI3256

測定結果

完成したRAMSアンプ(AC-DCコンバータ)
入力に使用したクランプCT(中古で購入)
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