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太陽光発電の実験 太陽光パネル用 SB(サーキットブレーカ) 2024/7/2

本文目次

本文以外目次
1.ソーラーパネル用SB
2.蓄電池用充電器用SB
3.蓄電池用SB
4.インバータ用SB
5.配線


本   文
1.ソーラーパネル用SB
 サーキットブレーカーとは回線を切るためのもので過大な電流が回路に流れた時に回路に流れる過大な電流を切り被害拡大を防ぐ役目を持っています。
 しかし太陽光パネルの異常電流(短絡電流)が約8.94(A)で最大出力電流が8.5(A)と両者の差が0.44(A)しか無く異常な電流を検出し回路を切り離す事が難しいためサーキットブレーカーとしての目的は達成することは出来ない。
 今回の使用目的はパネルと蓄電池充電装置の間にこのサーキットブレーカを入れる事により、『安全に蓄電池充電装置を切り離すこと』が目的となります。
 アマゾンで1台1,426円で購入できました。
-購入での注意事項-
ここで使用使用するサーキットブレーカーは直流(DC)ですので仕様として直流用又は交流・直流用を選んで下さい。
交流より直流は電流が切りにくいため交流専用と違った構造になっている物もあるので購入する場合は注意して仕様を確認下さい。

-購入品の仕様-
モデル C65H-DC 2P
2P
定格電流 63A
定格電圧 DC250V
定格の遮断容量(ICU) 10kA
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2.蓄電池用充電器用SB
 太陽光パネルでサーキットブレーカーの説明をしましたが、過電流については発電した電流と比べて大きな電流では無かったので、しゃ断電流について説明はしませんでした。
 しかしここで説明するサーキットブレーカーについては、過大な電流が流れる恐れがあるので、簡単ですが説明します。
 ここで説明するサーキットブレーカーの位置は赤枠の部分です。
この場所でサーキットブレーカーに流れる電流を簡単に想定してみます。
①×で故障(短絡)が起きた場合①の矢印方向で過大な電流が流れますので、太陽光パネルの最大出力(840W)分の電流が流れます。
簡単に電流を計算すると
840(W) / 24(V) = 35(A)

×②で故障(短絡)が起きた場合②の矢印方向で過大な電流が流れます。
この時は蓄電池の特性により電流が流れます。
ここでも簡単に計算しますが
・蓄電池の内部抵抗 30(mΩ)以下 計算では15(mΩ)として計算します
・蓄電池の最高使用電圧 27(V)
27 / 0.015 = 1,800(A)
①②で最大電流は1,800(A)なのでこれ以上のしゃ断電流特性を持つサーキットブレーカーが必要となります。
ここで使用したサーキットブレーカーは太陽光パネルと蓄電池充電器の間に置いた物と同じ物を使用しました。

-購入品の仕様-
モデル C65H-DC 2P
2P
定格電流 63A
定格電圧 DC250V
定格の遮断容量(ICU) 10kA
定格の遮断容量が10(kA)なので1,800(A)より大きいので、『×②』で故障が起きてもこのサーキットブレーカが63(A)以上を検出すれば電流をしゃ断出来る事が判ります。
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3.蓄電池用SB
サーキットブレーカーの配置と定格電流(遮断する電流)と遮断容量について
蓄電池~蓄電池充電器、インバータの配線を左図に示します。
■各サーキットブレーカーA、B、C(以下サーキットブレーカーの語句を省略します)の値の決め方を概略ですが説明します。
ここで蓄電池の下にサーキットブレーカーが有ります。
・Aの定格電流(遮断する電流)は充電器またはインバータの電流を考慮して決定します。定格遮断容量は①で故障(短絡)した場合を考慮して決定します。
・Bの定格電流(遮断する電流)は充電器から供給する電流を考慮して決定します。定格遮断容量は①又は②で故障(短絡)した場合を考慮して決定します。
・Cの定格電流(遮断する電流)はインバータが必要な電流を考慮して決定します。定格遮断容量は①又は③で故障(短絡)した場合を考慮して決定します。

■AとB,Cの定格電流・遮断容量の関係
・定格電流
②で故障した場合BよりAが先に遮断すると故障した場所が①②③どこか判らないので定格電流はA>Bになります。
同じ様に③で故障した場合から定格電流はA>Cとなります。
BとCの関係は充電器から供給する電流とインバータが必要な電流で決まりますのでここでは関係式には示しません。
以上から 定格電流についてはA > B Cと言う事になります。
・遮断電流
遮断電流はAもBCも故障した場合の電流は同じになるので①②③の最大故障(短絡)電流を許容する値にする必要が有ります。

蓄電池に接続されているAのサーキットブレーカー
初期の計画では100Vと200Vのインバータ計2台を接続するため定格電流を125(A)にしました。
蓄電池の最大電流は100(A)で本来なら定格電流が100(A)の物が必要だったのですが・・探したのですが安価な物が無かった。
通常の電流を制限するのはB,Cに任せて、A> B Cの関係にするため125(A)としました。
遮断電流は蓄電池の内部抵抗を考慮して2(kA)以上の性能を持つ物としました。
※1 蓄電池の100%電圧 27(V) /0.015(Ω)=1.8(kA)

購入はアマゾンで2,954円でした。
蓄電池に接続したサーキットブレーカーの仕様
モデル NBT2-125DC 2P
2P
定格電流 125A
定格電圧 DC600V
定格の遮断容量(ICU) 10kA
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4.インバータ用SB
 サーキットブレーカーとは回線を切るためのもので過大な電流が回路に流れた時に回路に流れる過大な電流を切り被害拡大を防ぐ役目を持っています。
実際この回路のサーキットブレーカーの定格電流はインバータの必要とする電流になります。
1,600(W) / 25(V) = 64(A)
65(A)程度の定格電流を探したのですが、無い! 63(A)しか無い!
と言う事で63(A)で実際にどれだけ電力を発生出来るか逆に計算してみた。
63(A) × 25(V) × 0.9(インバータの効率) × 0.8(力率※) ≒ 1,100(W)

力率についてはモーター等の負荷を想定していないので注意下さい。
だいぶん様子が変わってきましたが、この程度の負荷を想定して接続したいと思います、
サーキットブレーカーはアマゾンで1台1,426円で購入できました。

-購入品の仕様-
モデル C65H-DC 2P
2P
定格電流 63A
定格電圧 DC250V
定格の遮断容量(ICU) 10kA
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5.配線
使用するケーブル(配線)の種類は使用電圧や電流から違っています。右図に配線を色分けして示します。

ここでは赤色のケーブルについて説明するため600(V) HIV 1芯ケーブルの許容電流を下表に示します。

サイズ
(sq)
外形
(mm)
許容電流
(A)
抵抗
(Ω/km)
IV許容電流
(A)
相当AWG
サイズ
2 3.4 33 9.24 27 14
3.5 4.0 45 5.20 37 12
5.5 5.0 60 3.33 49 10
8 6.0 74 2.31 61
14 7.6 107 1.30 88 6
22 9.2 140 0.824 115 4
38 11.5 198 0.487 162 2
蓄電池で求めた最大使用電流85(A)でも許容できるサイズは14(sq)ですが、ワンサイズ上の22(sq)で高温に耐えれるHIVを選定しました。

但し蓄電池充電器の入出力接続端子が最大14(sq)だったため、①『太陽光パネルに接続しているサーキットブレーカー~蓄電池充電器~サーキットブレーカー』までは14(sq)のケーブルを使用しました。
この①間に流れる電流は35(A)なので、許容電流から見て十分なサイズです。

対象のケーブル関係の費用は下表のとおりです。
品名と数量 費用(円) 購入場所
ケーブル 22sq 10m 7,690 モノタロー
ケーブル 14sq 2m 1,932 アマゾン
圧着端子 R22-6 6個 1,286 モノタロー
圧着端子 R22-8 20個 2,593 モノタロー
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